府道沿いのローカルなガソリンスタンドに燃料を買いに行ったとき、その傍らに『犀川』(さいがわ)という川があって、そこに面白い名前の橋が架かっていた。その名も『猫橋』という。
犀川にかかるユニークな名前の橋
そう言えば、前々から「面白い名前だなあ」とは思っていたけれど、調べたりはしていないので、謂われなどはわからない。ただ、なんとなく心がほのぼのするような名前で、村の橋っていう感じがしていた。
野猫のねこはしくん登場
そこで、いつもなら無いことが起こった。「面白い名前だなあ」と思って橋を眺めていると、ちょうどそこに野良猫が一匹姿を現したのだ。野良猫というよりは、山間に住んでいる『野猫』かなあ。ワイルドな堂々たる体躯は雄々しく、明らかに雄猫だ。
慣れた様子で、定休日の喫茶店の玄関先にちょこんと座り、しばらく待機して居た。「はっは~ん、いつも餌をもらっているな。」「ご執心のところを見ると、よっぽど美味しい、まかないご飯をもらってるのやな。」と勝手に想像を巡らせた。
表玄関先が、閉まっていることがわかると、彼は厨房のある裏口の方へと移動した。野生の猫特有の敏捷さと不敵さだ。私のような新参者がちょっと声を掛けても少しも媚びず、相手にもしてくれない。
彼はただ、小腹が空いているだけなのだ。
「なぬ!」と振り返った
「ねこはしくん、今日は定休日みたいだから、裏口もきっと閉まってるよ」と話し掛けると、一瞬振り返った。
「なぬ!」
ちょっと可愛いとこもある
そーっと、慎重に近づくと彼はじーっと餌をくれるご主人様を待っている体勢だった。
そして、そのうちに少し慣れてきたのか、こちらの方へ一歩だけ歩み寄ってくれた。
ちょっと可愛いとこもある。
「やっぱり、お腹が空いてるのや。食べ物がほしいんやね。」
ねこはしくんは、こちらをじっと見ながら黙っていた。「今日は何も持ち合わせがないから、ごめんね。」私はそう言って、彼の憩いの邪魔をしないように、あまり長居せずその場を辞した。
さようなら、またね。きっと、おいしい食べ物にありつけますように。
ねこはしくん、束の間のよき出会いを、ありがとう。
少し癒されたし、楽しかったよ。
身近な自然から気づいた事
なんとなく心がほのぼのするような名前の猫橋。
そこでいつもなら無いことが、野猫のねこはしくん登場。
ありがとう。少し癒されたし、楽しかったよ。
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