文人画家・富岡鐵斎翁が揮毫した毛筆文字。

京都伏見の蔵元・山本本家の直売所で新酒の『山田錦100%無濾過生原酒』を手に入れてから、まだ日が高かったので、久しぶりに周辺の酒蔵の町を歩いてみることにした。

この界隈は、豊臣秀吉によって築城された伏見城のお膝元で城下町の名残もあり、歴史的建造物が多く景観や町並みが保存されている美観地域だ。少し歩くだけでも、古き良き日本の片鱗を垣間見ることができる希少な場所でもある。


歴史的意匠建造物の美しい景観

京都市の歴史的意匠建造物に指定されている美しい景観。

東高瀬川沿い、川向かいから見た圧倒的な美しい景観。お馴染みの撮影スポットだが、いつ行ってもつい見惚れてしまう秀麗さ。絶妙に均整やバランスがとれた素晴らしい建物だ。


文化庁の有形文化財に登録されている松本酒造の建物。

松本酒造八代目御当主の残された言葉『建物としての蔵は老化していくことは避けられないが、その蔵の中で酒を造る人の心は老化させてはならない』その真摯なスピリットは後生に受け継がれてゆくのだろう。


京都・伏見の酒造発展の歴史資料館・月桂冠大倉記念館と紅梅。

十石舟・三十石舟が運航する宇治川派流沿いから見た、酒造の歴史資料館・月桂冠大倉記念館


夕映えの酒蔵もとても雰囲気があって良い。しかし気温も下がって、だんだんと冷えてきた。あっという間に日が暮れそうになってきた。


最小の満月|スノームーン

スノームーンは一年のうちで地球から最も遠い位置でその瞬間を迎える。

今宵は一年のうちで最も小さい満月『スノームーン』だそうだ。日本語で『雪月』とはいかにも寒そうな名前だ。


寒いから、お月様も一杯飲んで、ほろ酔い加減なのか。心なしか、姿を潤ませているようにも見える。


じゃあ、ちょっと酒の肴でも探しに行こうか。それから帰ろう。


酒の肴

一年ぶりにありついた京都の地場スーパーの極上握り寿司・若狭。

私は京都の地元密着型スーパーがとても好きだ。関西圏のスーパーはたいてい行ってみたが、やはり京都の地場スーパーが一番レベルが高いと個人的には思っている。


スーパーは生鮮が命だろう。ここ京都・滋賀地域は歴史も古いが、食文化についても深い。京都市周辺の地域や丹波地方などで生産される京野菜、若狭湾で水揚げされる海の幸などの豊富な収穫物を背景に発展した。京懐石を頂点とした京都人の食べ物は豊かで上等なものが多い。


内陸なのに魚介類が豊富な食文化というのも最初は不思議に思えたが、日本海や琵琶湖と意外に近いルートがあり往古より京の都に全てが集まっていたことが、だんだんとわかってきた。


帰宅して準備を整えた。新酒の神聖『山田錦100%無濾過生原酒』と晩餐。手前はトビウオの卵入り海鮮巻き。

さあ、新酒の神聖『山田錦100%無濾過生原酒』純米吟醸にようやくたどり着けた。


ささやかだけど、春一番の粋な酒と肴が出揃った。うわあー、やっぱり綺麗やなあー。食する前に軽く目を閉じて、伏見の情景を思い浮かべながら、しばし悦びに入る。


京のよき日に感謝して、最高に美味しそう!


いただきます!

(おわり)


身近な自然から気づいた事

神聖 03|酒蔵の景観を愛でる

久しぶりに周辺の酒蔵の町を歩いてみることにした。

古き良き日本の片鱗を垣間見ることができる希少な場所でもある。

新酒の『山田錦100%無濾過生原酒』にようやくたどり着けた。ささやかだけど、春一番の粋な酒と肴が出揃った。

京のよき日に感謝して、最高に美味しそう!いただきます!

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