卵からかえって生まれたばかりのヒナたちに、親ツバメたちがせっせとエサを運ぶ姿は健気だ。
親から子へと愛を育む生命活動は、いつまでも永遠にかわることはないだろう。
ツバメの雛がかえった
田舎の家で、ツバメの子育てが始まった。
5月半ば、ツバメのヒナがかえった。巣の真下に敷いて置いたペットシーツに、小さな羽毛と卵の殻がコロリと落ちていた。それが赤ちゃん誕生のお知らせ。しかし、その時はまだ小さすぎて雛の姿は下からは見えなかった。
ここのところの寒暖差は例年に比べて大きかったが、おおむね清々しい気候の日が続いていた。過疎が進む里山の環境下で、今年も新たな生命の誕生に立ち会えたことをとても嬉しく思う。
ようこそわが家の軒下へ!
そして、ここがみんなの故郷の家だ!
田んぼで蛙が鳴きはじめ、すぐ近くまでコウノトリも渡って来ている。穀雨のあと、草花が一斉に成長しだしたため、農業水路の掃除や草刈りをした。
刈った草は干して乾燥させてから、わが家のささやかな畑に入れる。栽培方法をできるだけ自然農に近づけるため、野草と野菜を一緒に育てるよう試みている。
発酵させた米ぬかを、刈り取って干した草の中に少量ばらまいておくと腐食が促進され、微生物や虫たちの生命活動が活発化する。そしてやがて、極微小の生命圏が発生する基盤となる。
これまで、適度に有機物を大地に還元するよう土づくりを工夫しながら、自分たちなりに共生環境作りを心掛け、学びを積み重ねてきた。
一体どうすれば、調和的な生態バランスを崩さずに、私たちは自然の摂理に即した行動をとれるのか。
身近な生き物の生態環境
5年前に比べると、うちの周りの植生にも変化が現われ、繁茂する山野草の種類も変わってきた。身近な生き物の生態環境も、すこぶる豊かになってきていると思う。ささやかな里山で、生命の営みは続いてゆく。
ツバメの子育てに必要なエサとなる昆虫たちも、そうした循環の中から生成されている。
親ツバメは日中観察していると、5分くらいの間に3回も4回も、雛の口へエサとなる昆虫を運んでいる。
お母さんツバメは子煩悩で時々雛を温めたり、またくちばしで触れあったり、わが子の世話をまめまめしくして生育を促している。
このあいだは、ブンブンと羽音をたてて生きている日本ミツバチを、丸ごとくわえて持ち帰って来た。
毒針を持たないオスバチのみを、飛行中にキャッチするそうだが、せっかくの獲物も、まだまだ小さな雛の口にはそのまま入らず、ちょっと早かった様子。
私たちが大好きな、花粉媒介者(ポリネーター)の日本ミツバチも、さすがに、ツバメにかかれば形無しのようだった。
身近な自然から気づいた事
卵からかえって生まれたばかりのヒナたちに、親ツバメたちはせっせとエサを運んでいる。親から子へと愛を育む生命活動は、いつまでも永遠にかわることはないだろう。
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